うえむら眼科クリニック

〒663-8101  西宮市松山町 13-26
甲子園口グリーンプレイス B棟2F

0798-61-8000

JR甲子園口駅から
北へ徒歩10分

駐車場 37 台

網膜の病気

網膜とは

  • 目の奥にある、光を感じる神経が集まった部分を「網膜(もうまく)」といいます。
  • 網膜の中心にある「黄斑(おうはん)」は、視力を保つうえで重要なはたらきをしています。
  • 網膜の血管と、その裏側にある脈絡膜(みゃくらくまく)の血管は、網膜に酸素や栄養を届けています。
  • 網膜の検査では、瞳孔(どうこう)をひらく目薬をいれることがあります。その場合、4〜5時間は光がまぶしく、ピントが合いにくくなりますので、見え方が戻るまで車の運転を控えていただきます。

正常な網膜

正常な網膜

正常な網膜

目の表面から入ってきた光は角膜・水晶体・硝子体を通過して網膜に到達します。

網膜で得られた情報は、視神経を介して脳に伝達されます。

網膜の断層像では、黄斑が凹んでいることがわかります。

網膜の病気

  • 糖尿病網膜症、加齢黄斑変性、網膜静脈閉塞症などの病気では、血管の異常によって視力が落ちたり、視野の一部が暗くなったりします。
  • 黄斑に異常をきたす病気では、まん中が見にくい、まっすぐの線がゆがむ、左右の目で物の大きさが違って見える、などの症状がでます。
  • いたんだ網膜は完全に元に戻らないことが多いので、早期発見・早期治療が重要です。
  • 抗VEGF治療・硝子体手術・レーザー治療などで網膜の病気を治療することにより、視力を改善・維持できる可能性があります。
糖尿病網膜症
糖尿病網膜症
加齢黄斑変性
加齢黄斑変性
網膜中心静脈閉塞症
網膜中心静脈閉塞症
網膜に病気があるときの見え方

欠ける

欠ける

欠ける

網膜の病気

黄斑に異常をきたす病気では、まん中が見づらい、まっすぐの線がゆがむなどの症状があらわれます。

糖尿病網膜症

  • 糖尿病がある方の3人に1人が網膜症を発症します。
  • 糖尿病の期間が長いほど、血糖値が高いほど、網膜症を発症するリスクが高まります。
  • いたんだ血管からの水漏れにより、黄斑が腫れる(黄斑浮腫)と視力が低下します。
  • 新たにできた異常血管が出血や網膜剥離をおこすと、失明するおそれがあります。
  • 糖尿病がある方は、自覚症状がなくても定期的に眼科を受診する必要があります。
  • 病状に応じて抗VEGF治療、レーザー治療、硝子体手術をおこないます。

加齢黄斑変性

  • 50歳以上の80人に1人にみられ、高齢の方ほど発症率は高くなります。
  • 脈絡膜にできた異常血管からの出血や水漏れにより、視力が低下します。
  • 食事や喫煙などの生活習慣に加え、遺伝の関与も指摘されています。
  • 視力の改善・維持を目的に抗VEGF治療をおこないます。
  • ルテインなどを含んだサプリメントが発症予防に有効とされています。

網膜静脈閉塞症

  • 40歳以上の50人に1人にみられ、高血圧・動脈硬化・糖尿病・緑内障があると発症リスクが高くなります。
  • 網膜の血管がつまって出血する病気で、網膜中心静脈閉塞症と網膜静脈分枝閉塞症に分類されます。
  • 黄斑浮腫がおきると視力が低下しますが、抗VEGF治療による改善が期待されます。
  • 難治性の緑内障をきたすことがあり、必要に応じてレーザー治療をおこないます。

黄斑前膜(黄斑上膜)

  • 40歳以上の30人に1人にみられ、黄斑の表面にできた膜が縮むことにより網膜が変形します。
  • 網膜剥離や目の炎症(ぶどう膜炎)の合併症として黄斑前膜ができることもあります。
  • 見えづらさを感じるようになれば、硝子体手術によって異常な膜を取り除きます。

飛蚊症と網膜剥離

  • 中高年の方では老化による目の中の濁りが原因となり、ゴミ・虫・糸クズなどが飛んでいるように見える「飛蚊症(ひぶんしょう)」がでることがあります。
  • 飛蚊症の他に目の病気がなければ、治療は必要ありません。
  • 飛蚊症の一部では、網膜のキズ(裂孔)が見つかることがあり、網膜剥離への進行を防ぐためにレーザー治療をおこないます。
  • すでに網膜剥離が広がっている場合は手術を受ける必要があります。

網膜の日帰り治療

1.抗VEGF治療

  • 糖尿病網膜症、加齢黄斑変性、網膜静脈閉塞症では、血管異常の原因となるVEGFを阻害する薬を目の中に注射します。
  • 症状が再発する場合は、数ヶ月毎に抗VEGF治療を繰り返すことがあります。
  • 国内で使用できる抗VEGF薬にはいくつか種類がありますが、当院では病状に応じて最適な薬剤を選択しています。
  • 治療前
  • 抗VEGF治療後
糖尿病黄斑浮腫
治療前糖尿病黄斑浮腫
抗VEGF治療後糖尿病黄斑浮腫
加齢黄斑変性
治療前加齢黄斑変性
抗VEGF治療後加齢黄斑変性
網膜静脈分枝閉塞症
治療前網膜静脈分枝閉塞症
抗VEGF治療後網膜静脈分枝閉塞症

当院における抗VEGF治療

血管異常が原因となる網膜の病気に抗VEGF治療をおこなうと、黄斑の腫れが改善します。

  • 植村院長は抗VEGF治療に関する多数の論文・著書を発表しており、全国の眼科医を対象とした多くの招待講演を行っています。

抗VEGF治療に関する植村院長の招待講演

(左)「バビースモ」承認・発売記念セミナー(2022年4月)

(右)「アイリーア」10周年記念シンポジウム(2022年7月)

画像をクリックすると大きな画像で確認できます

抗VEGF治療に関する植村院長の招待講演

2.硝子体手術

  • 黄斑前膜、黄斑円孔、硝子体出血、網膜剥離などの病気は硝子体手術によって治療します。
  • ほとんどの硝子体手術では白内障手術を同時におこない、30分ほどで終了します。
  • 網膜を押さえるために、目の中に空気やガスを入れることがあります。
    その場合、手術後しばらくは下を向く必要があります。
  • まれに手術後の合併症(眼内炎や網膜剥離など)が発生して追加手術が必要になることがあります。
硝子体手術装置
(コンステレーション)
硝子体手術装置

硝子体手術

手術前(黄斑前膜)

手術前(黄斑前膜)

手術後3ヶ月

手術後3ヶ月

    当院における硝子体手術

  • アルコン社コンステレーションビジョンシステムを用いて、異常な膜や出血を除去したり、網膜剥離を元に戻したりします。
  • 黄斑にできた異常な膜を除去することにより、網膜のかたちが正常化します。

3.レーザー治療

  • 網膜にキズ(裂孔)がある場合は、レーザー治療によって網膜剥離への進行を防ぎます。
  • 重症の糖尿病網膜症や網膜静脈閉塞症では、広範囲にレーザーをあてることにより失明を防ぎます。
網膜裂孔

網膜裂孔

レーザー治療後

レーザー治療後

当院におけるレーザー治療

網膜裂孔の周りをレーザーで囲むことにより、網膜剥離の拡大を防ぎます。

治療費について

健康保険 抗VEGF治療 硝子体手術 レーザー治療
【健康保険】1割負担 14,000円 〜 17,000円 18,000円 10,000円 〜 16,000円
【健康保険】2割負担 18,000円 18,000円 18,000円
【健康保険】3割負担 44,000円 〜 51,000円 122,000円 〜 152,000円 30,000円 〜 48,000円
  • お薬代なども含めた、治療当日にお支払いいただく概算金額です。
  • 抗VEGF治療では、使用する薬剤により費用が異なります。
  • 硝子体手術では、白内障手術を同時におこなうかどうかで費用が異なります。
  • レーザー治療では、病状に応じて費用が異なります。
  • 1割・2割負担の方では、手術・診察にかかるひと月の医療費の上限は18,000円となります。
  • 3割負担の方では、ひと月の医療費が一定額(多くの方では80,100円)を超えると払い戻される制度があります。
  • 生命保険に加入されている方では、硝子体手術とレーザー治療に給付金が支給される場合があります。

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